【民生委員制度創設100周年記念 全国モニター調査】
民生委員・児童委員による社会的孤立状態にある世帯への
支援に関する調査結果 第1次報告について
本(平成29)年は、民生委員制度創設100周年です。
これを記念し、全国民生委員児童委員連合会では民生委員制度創設100周年記念事業の一環として、全国23万人余の民生委員・児童委員すべてを対象に標記調査を実施し、今般、その第1次集計結果を取りまとめました。
今回調査においては、今日、社会的に課題となっている「社会的孤立」をテーマとしました。社会的孤立状態にある人(世帯)においては、さまざまな課題を抱えた場合であっても、周囲に助けてくれる人や相談相手がいないために課題等が深刻化する場合が少なくありません。
調査は、全国の民生委員・児童委員が実施した、「社会的孤立状態にあって、かつ課題や困りごとを抱えた人(世帯)に対する支援」事例を収集・分析することで、どのような課題を抱えた人(世帯)が多いのか、また民生委員・児童委員がその解決のためにつないだ専門機関等による支援により、その人(世帯)の課題が解決したのか等を明らかにすることで、今後必要な支援制度やサービス、また地域において期待される取り組み等を考察することを目的として実施したもので、全国53,454件の事例が集まりました。
今回報告は、まず全体の傾向を明らかにしたものであり、今後、具体的な事例分析を進めるなかで、より具体的な課題について整理の予定としています。
注1 民生委員制度創設100周年について
・民生委員制度は、大正6(1917)年、岡山県で創設された「済世顧問制度」をその源とするもので、本年、100周年を迎えました。この済世顧問設置に関する規程の公布が5月12日であったことから、毎年5月12日を「民生委員・児童委員」としています。制度創設100周年の本年5月12日は「民生委員制度100周年の日」です。
注2 全国モニター調査について
・民生委員の主要な役割の一つに、地域の状況を適切に把握することがあります。「モニター調査」とは、民生委員
が地域社会を注視する「モニター」となることで、社会の見えづらい課題を明らかにすることを目的として実施する
全国調査です。その歴史は昭和43年、わが国で初めてねたきり高齢者の実態を明らかにした「居宅ねたきり高齢者の
実態調査」に遡り、以来、種々のテーマで実施されてきました。
注3 「社会的孤立」について
・今回調査においては、「社会的孤立」の定義を、「周りに助けを求められる相手がいない状態、また、周囲に
その人を気にかける人が誰もいない状態」としています。