社会福祉事業、社会福祉行政、さらに社会福祉法人制度等、わが国社会福祉の基本的事項を定めた社会福祉法の改正法案が3月31日に成立しました。
今般の法改正は、福祉サービスの供給体制の整備・充実を図るため、
> 社会福祉法人制度について経営組織のガバナンスの強化、事業運営の透明性の向上等の改革を
進める
> 介護人材の確保を推進するための措置を講ずる
ことを目的に行なわれました。
主な改正内容は、以下のとおりです。
① 社会福祉法人制度の改革
・ 経営組織のガバナンスの強化
→ 議決機関としての評議員会を必置 等
・ 事業運営の透明性の向上
→ 財務諸表、現況報告書等の公表にかかる規定の整備 等
・ 財務規律の強化(適正かつ公正な支出管理 等)
→ 役員報酬基準の作成と公表 等
・ 地域における公益的な取り組みを実施する責務
→ 社会福祉事業及び公益事業を行なうに当たって、無料または低額な料金で福祉サービスを
提供することを責務として規定
② 福祉人材の確保の促進
・ 福祉人材センターの機能強化
→ 離職した介護福祉士の届け出制度の創設、就業の促進、ハローワークとの連携強化 等
・ 介護福祉士の国家資格取得方法の見直しによる資質の向上等
→ 養成施設卒業者への国家試験の義務付け
経営組織に関しては、とくに必置となる評議員会の役割が大きく変わり、これまでの諮問機関から議決機関となります。
民生委員・児童委員が理事・評議員に就任している社会福祉法人も多くみられますが、経過措置のある小規模の社会福祉法人を除き、来年4月の改正法施行に向けて、各法人で必要な対応が求められることとなります。
また、一定の計算に基づき財務余力があるとされた場合に新たに求められることとなった地域公益事業(地域への貢献)においては、制度の狭間にいる人びとの支援等も求められており、こうした取り組みを実施する上では、地域において活動している民生委員・児童委員との連携も重要といえます。