急速な高齢化の進展、また認知症高齢者の増加などを背景に、高齢者に対する虐待が深刻化しています。とくに近年、介護疲れ等による家族からの虐待とともに、高齢者施設での職員による虐待なども問題となっています。
今般、厚生労働省は平成26年度において、全国の自治体が対応した高齢者虐待に関する通報や相談件数、またそれを受けての事実確認や対応についての状況を公表しました。
これによれば、平成26年度の1年間に虐待と判断されたケースは、家族や親族といった「養護者によるもの」が1万5,739件で、前年度比8件増とほぼ同数となっています。
一方で、「要介護施設従事者等によるもの」は300件で、前年度比79件・35.7%の増加と、大きな伸びを示しています。
今回の結果を5年前(平成21年度)と比較すると、以下のとおりとなっており、家族等の養護者による虐待がほぼ同水準である一方、施設従事者等による虐待については、その顕在化もあり、大きく増加していることがわかります。
区分 | 平成21年度 | 平成26年度 |
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養護者による虐待 | 1万5,615件 | 1万5,739件 |
要介護施設従事者等による虐待 | 76件 | 300件 |