高齢者や障がい者等を狙った振り込め詐欺や、健康食品等の送り付け商法被害が社会的な問題となっていますが、警察庁は、昨年(平成27年)1年間における振り込め詐欺等の「特殊詐欺」について、その認知件数、検挙件数の状況を発表しました。
これによると、年間の特殊詐欺の認知件数は1万3,828件、被害額は476.8億円で、既遂事件1件あたりの被害額は373.4万円となっています。
前年との比較では、認知件数で436件・3.3%の増である一方、被害額では88.7億円・15.7%の減となっています。被害額では減少しているものの、認知件数では増加しており依然として深刻な状況にあるといえます。
とくに65歳以上の高齢者の被害が全体の76.7%を占めており、引き続き高齢者の見守りや声かけといった支援が重要となっていることがわかります。
類型別に被害全体に占める高齢者の割合をみると、「オレオレ詐欺」が94.3%、「還付金等詐欺」が93.5%、「金融商品等取引名目詐欺」で85.3%となっています。
一方で、関係者の努力もあり、特殊詐欺に関する検挙件数は4,114件、検挙人員は2,552件と、いずれも前年度より増加しています。